光村図書2年 「みきのたからもの」⓪ ~教材分析と言語活動~
公開日: 2025年9月9日火曜日
本校1年目の岩崎です。
本年度は2年2組を担任しています。
今回から数回に分けて「みきのたからもの」での実践を紹介させていただきます。
教材の特徴
みきのたからものは,「光村図書2年下」令和6年度〜掲載されている新しい作品です。蜂飼耳さんによって書かれた教科書書き下ろしのファンタジー作品です。
きっと先生方の中にも新教材でどう扱うといいのか?と思われている方も多いのではないかと思います。まずは,私の教材分析から・・・。
①
登場人物の情報が少ない
本教材は,中心人物「みき」の変容が描かれている作品です。しかし,「みきってそもそも男の子?女の子」「どんな小学生なのか?」設定が詳細に書かれていないことが特徴に挙げられます。一方対人物である「ナニヌネノン」は,挿絵にさえ書かれていません。ナニヌネノンがどんな姿や形をしているのか?全く見えずに物語が進行していきます。
他教材と比較してみましょう。例えば2年生教材「お手紙」では,前半部分の叙述からがまくんが「ふしあわせそうにしていること」それは,「お手紙を今ままでもらったことがないこと。」など前半部分で,「がまくん」の大まかな設定を掴む事ができると思います。
しかし,「みきのたからもの」では,いきなりカードを拾う場面から始まります。その後「みき」はどんな人物なのか?「ナニヌネノンは?」人物像があまり描かれることなく物語が終わっていきます。
②
みきの心情の読みにくさ
一読しただけでは,みきのその時の心情はこの文章からはつかめません。急展開があるわけでもなく,出来事を中心に淡々と書かれている印象を受けます。その時のみきの表情や気持ちを想像する事自体読者求められているように思います。
③
行動描写の多さ
想像に任せられている部分が多い一方。「なんども手をふりました。」「小さな石をぎゅっとにぎったまま」など中心人物みきの行動に関する描写が多い。
など特徴がたくさんあります。以上のことから。
①
みきの行動に着目することで、登場人物の心情や行動の理由が読め、2人の会話の様子などに着目することで人物同士の関係性にまで目を向けることができるのではないか
② 作品の特徴を生かし、登場人物の行動に対する「理由」やその背景にある心情などの人物の様子を具体的に想像する力を育んでいきたい。 ここで身に付けた力がこの先の空所を読んだり、人物の性格や人物像を考えたりする学習につながっていけるのではないか
本実践の言語活動について
教材の特徴から,「みきの心情を詳細に語る事によって,登場人物の行動の理由が具体的に想像する事がきるのではないか」と考えました。
そこで,本実践の言語活動として。「ふきだし本」を作成するという言語活動を設定します。「ふきだし本」とは,みきの行動の叙述に対して考えられる「みき」の心情を「ふきだし」をつかってアウトプットするという活動です。ふきだしという形でアウトプットする事を通して。みきの心情に迫り,登場人物の行動を具体的に想像することで「精査・解釈」につなげることができるのではないかと考えます。
しかし,「ふきだし」という言語活動は,子どもたちにとって,近いようで,遠い・・・。そこをどうやって子どもたちと立ち上げていったか次回紹介をしたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
国語科 岩崎 兼司
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