【実践紹介0】帰り道 教材分析と単元構成
公開日: 2026年5月17日日曜日 「帰り道」(光村図書6年)
光村図書6年 帰り道 教材分析と単元構成
本校2年目になりました。岩﨑です。
今年度は、6年生の担任をしています。昨年度の2年生とは子どもたちとは発達段階も大きく違い、私自身もすごくわくわくしています。
今年度6年生教材の「帰り道」を紹介します。
【教材の特徴】
本作品の最大の特徴は・・・。
本作品の最大の特徴は、同じ場面を律の視点 、 周也の視点 で語っている事だと思います。
「1」では、律の視点から見た帰り道 の道程
「 2」では、周也から見た帰り道 の道程 がそれぞれ一人称視点で語られています。
ここで、人称の話をさせてください。
物語は、大きく3つの物語のパターンが存在します。
・一人称視点・・・視点人物が物語を語っていること。
例)帰り道、たずねびと、ずうっと、ずっと大すきだよ、少年の日の思い出 etc...
・3人称視点・・・物語の語り手(お話を語っている人)が第三者の視点であること。
3人称視点は大きく3つ(限定視点)と(客観視点)と(全知視点)があります。
3人称客観視点・・・語り手が、どの人物にも寄らすに、客観的に事実のみ語ること。
例)一つの花
3人称限定視点・・・語り手が一人の人物の内面まで語っている事。
→このパターンが一番多いです。スイミー、大造じいさんとガン
3人称全知視点・・・語り手が様々な人物の心情に寄り添いながら、語ること。
例)お手紙、山月記
一人称視点の物語作品では、第三者の語り手の視点が入る事なく、語り手= 視点人物 という構造になっているため、 二人の心情は捉えやすい。
そんな物語の特徴があるため、整理してみると以下の事が分かります。
①律の視点でしか語られていない事や周也の視点でしか語られていない事
例えば・・・。
・雨の律の視点では、靴箱のシーンから始まるが、周也は、靴箱のシーンはない。
・最後の天気雨シーン。周也視点では、最後律がうなずき返したことが描かれているが、律視点では、語られていない。
②同じものを語っているのに語られ方が違う事 。
・2人がだまって歩くところ。
律・・・返事をしない僕にしらけたのか
周也・・考えたとたんに、舌が止まった。何も言えない、言葉が出ない。
→2人のすれ違いが分かる。
・同じ天気雨なのに、語られ方が違う。
律・・・空一面からシャワーの雨が降ってきた。
周也・・無数の白い球のように見えた、球の逆襲。
・最後の2人の情景描写
律・・・ぬれた地面よりも軽快な足音をきざんで、ぼくたちはまた歩き出した。
周也・・しめった土のにおいがただようトンネルを律と再び並んで歩き出しながら・・・
こうした、同じ場面をそれぞれ違う語り手が語っているという視点から、この二つの視点を関連 付けながら読む事で、「律からみた律」「律からみた周也」「周也からみた周也」「周也からみた律」を捉える事 ができると考えています。
また、本作品のもう一つの特徴は、豊かな描写 です。
律・・・先のとがったするどいもの、みぞおちの異物、空い一面からシャワーの水が降ってきた。、
周也・・ピンポン、むだ打ち、いい球、乱打、無数の白い球、球の逆襲など
この描写をそれぞれ、意味づけていくとまた、楽しくこの作品を読むことができるのではないかと思います。
また、「1」を読んだ後 に 考える2人の人物像、「2」まで読んだ後に考える2人の人物像には 、ずれがある事に気付く事 ができます 。
「1」と「2」それぞれの描写に 着目 し 、「律 の立場から見た周也の人物像 」と「周也 の立場から 見た律の人物像 」を 関連付けて考える事を通して、読者の立場から見た律と周也の人物像を豊かに想像する 事 ができる作品であると言えると考えます。
【単元構成】
今回の「帰り道」の実践において、子どもたちは様々な場所に立ち止まったり、考えこんだりすると考えます。特に今回の「帰り道」においては、2人共、読者と同じ高学年を想定しているということ。また、帰り道という誰しもが経験をした事があることをみんなで想起させる事でより自分に近づけて読むことができるのではないかと思います。
子どもたちにより近いからこそ、より自分と引き寄せて読んでほしいそんな思いをもっています。
また、今回は、問いづくりを中核とした単元を構成しました。
国語において、問いがある事は、どの授業においても大前提であるし、どの授業においても問いがない授業はないと私個人的には思っています。
国語において、「問い」ともつことは大前提であることは前にも話をしました。
最近よくある実践の中でも、問いをつくる実践はここ最近すごく増えてきたなと感じています。
しかし、物語の出合いと同時に問いつくらせるような実践を多くみることがありますが、子どもたちも何のために問いを立てているのかもよく分からず、とりあえず問いを立ててみたものの・・・・ということも読んでいる皆さんはよくあるのではないかと思います。
私もその一人でした。子どもたちに問いを立てることを学習すると様々な所から問いを立てる姿を目にする事があります。しかし、国語には必ず指導事項があります。その指導事項という「ねらい」には迫らなければなりません。
お手紙の内容は、深まったけど、どんな国語の力が身についてか分からん。
きっと、こんな経験をされた人達はもいるのではないかと思います。
そこで今回は、人物像を想像する。という目的に合わせた問い実践。
また、問い→解決→人物像→問い→解決→人物像の再考。
のように、子どもも教師も分かりやすい単元構成としました。
子どもたちは、問いを立てようとしている時点で、人物像の想像が始まっていると思います。
この問いを自分たちで立てることこそに価値があると考えています。
ということで、本実践においては、
・問いづくりを中心とした単元構成にする事で、子どもたちが自覚的に人物の心情や行動や描写等に立ち止まるきっかけをつくること。
・問い→解決→人物像というサイクルを回す事によって、心情や行動の理由、描写の意味等の解釈をする事によって、自分にとってよりよい人物像を再考する。
そんな姿を目指していきたいと思います。
次は、1時間目教材との出合いです。子どもたちとどんな学びをつくりあげていくか、楽しみです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
国語科 岩﨑兼司
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