DL指導案あり みきのたからもの6~7時間目「どうしてみきは、ナニヌネノンが消えていった空を見上げていたのだろう?」(校内研本時)
公開日:
2025年11月10日月曜日
みきのたからもの(光村図書2年)
だいぶ日がたっての更新になります。
附属小での校内研では、本時を研究授業として取り上げました。
指導案はこちらから
https://drive.google.com/drive/folders/1mLJB_69aRtWqXFfheK3UNHoS1WaOEvc2?usp=sharing
今までの実践はこちらからご覧ください。
教材分析と言語活動について
https://kokugo-kumadaifuzokusho.blogspot.com/2025/09/blog-post.html
1時
https://kokugo-kumadaifuzokusho.blogspot.com/2025/09/blog-post_16.html
2時
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3時
https://kokugo-kumadaifuzokusho.blogspot.com/2025/09/blog-post_15.html
4時
https://kokugo-kumadaifuzokusho.blogspot.com/2025/09/4.html
5時
https://kokugo-kumadaifuzokusho.blogspot.com/2025/09/5.html
前時では、一度読み合う時間を設定しました。子どもたちは一度読み合いをすることで表現のずれなどに気づくことが出来ました。読み合いながら出てきた問いに関してはグループや全体の場で解決することができる時間を設定しました。
その中でも、「どうしてみきはナニヌネノンが消えていった空を見上げていたのだろう。」というところにふきだしが書けない。なんでそうしたのかが分からないと困り事を抱えていた子どもが2人いました。
多くの子どもたちは、「どうしてナニヌネノンに出会ったことを誰にも話さなかったのか」という疑問をもっていましたが、若干手詰まりの状態・・・・。
一度この2人の困り事に全員が立ち止まることで、次の課題の解決への見通しがもてると思いい、本時をこの「どうしてみきはナニヌネノンが消えていった空を見上げているのか?」というところを課題にしようと考えました。
という前置きを踏まえて本時の授業について書いていきます。
本時の授業では、一度2人の困り事を話し合うことからスタートしました。
T :かずなさんの困りことがあるんだって、かずなさん教えてもらってもいい?
かずな:何で小さな石をぎゅっとにぎったまま、ナニヌネノンが消えていった空を見上げて いたのかその理由が分からない。
T :かずなさんは、どこのこと言っているんだろう?
CC :最後?103?あたりかな?
じゅん:なんか気になる!
T :なんで気になるの?
じゅん:だっ誰もいない空だよ。へんじゃない。
こうた:確かに変だよ。何か気になる。
上のやり取りのように2人の困りの内実について語らせる時間を設定しました。
しかし、何が変なのか、まだ全員は立ち止まれておらず一度劇化を挟むことにしました。
困り事を抱えていた、じゅんさんに一度劇をしてみるように促ししました。
私は、ナニヌネノンの乗り物を割りばして操作しながら、じゅんさんは演技していました。
〈じゅんの劇化を見る。〉
こうた:劇をしてみたら確かに分かったかも。
さとる:空を見てなんか思ったって感じなのかな。
よしお:んー何かありそうな気がするんだよな。
T :もう一人すみこさんやってみようか。
〈すみこさんの劇を見る。〉
CC :確かに、なんか変だよ。
じゅん:だってずっと見ていたんだよ。おかしいよ。
こうた:また会いたいなと思って見ていたんじゃないかな。
ここで劇化を見ることで、2人だけでなく、全員がその場面に立ち止まることが出来ました。
このように、低学年期においては、なかなか場面の様子を具体的に想像することができない児童も多く見られれます。そうした上で話し合いに入るとどこか上滑りしたような話し合いになることがよくありませんか。
今回の導入場面での劇化は、場面を具体的に想像するのに有効だったと考えます。
今回の劇化を通して、子どもたちの中には、みきの行動に対する違和感が表出してきました。というところで本時の課題を子どもたちと設定しました。
課題を設定したことで、さっそく解釈について話を始める子どもたちがいたので、一度全体の場で解釈を出し合う時間を設定しました。以下課題の解釈を表出する場面です。
こうし:未来のことを想像していると思うよ。
そうし:あとのことを考えているってこと
CC :あーなるほどね。
さとし:未来のことを考えているってことか。
T :それってどこから考えたのか分かる?
こうし:石をあげるってところから、またきてくださいって書いてあるよ。
ましろ:急にさびしい気持ちになってと書いてあるから、さみしくなってずっと見ていたん だと思う。
一度全体の場で解釈を語らせることにより、叙述とつなげて考えるというイメージを子どもたちに再度想起させることにしました。
低学年期において、叙述と紐づかず、空中戦の様相になることはよくあります。
一度全体の場で叙述ももとにして考えることを意識させた上でグループでの検討に入りましたを行いました。
また、今までの授業において、国語における「考え方」を教室にて掲示をしていました。
今回の授業ででてきた考え方は、
①音読をして考える。
②劇をしてみる。
③自分だったら・・・で考えてみる。
④文章同士を繋がりを見つける。
子どもたちの中では、様々な「考え方」を用いて解釈をつくる姿がとても印象的でした。
全体の場では、以下のようなやり取りが出てきました。
さとる:こうしくんと考えたんだけど。ナニヌネノンは小さな石に願いをこめていたと思う から、きっとみきもまた会えますようにと思ってずっと握っていたんじゃない。
CC :あ〜たしかに。
じゅん:何十年後たった時に、将来の夢が変わるかもしれないから、だから最後かもしれな いと思ってずっと見送っていたんだよ。
こうた:そんなことないよ。だって机の中にずっと石はしまっているって書いてあるから、 ナ ニヌネノンのことを絶対忘れないと思うよ。
T :あやこさんは何か別のことを考えていたよね。
あやこ:私は本当にあったことなんだけど、お父さんが出張に行く時にまた会えなくないな って悲しくなってずっと飛行機を見上げてしまったことがあって、きっとみきも同 じ 感じじゃないかな?
さらさ:私もお父さんがお仕事で遠くに行く時、いなくなってもずっと飛行機を見てたよ。
子どもたちの中では、様々な解釈を出し合う姿がとても印象的でした。
さとるさんは、ずっと叙述と紐づけていきながら考えていました。
じゅんさんやこうたさんは、それぞれのグループにおいて音読したり、劇をしたりしながら考えていました。
さらささんやあやこさんは、同じグループだったこともあり、同じ経験同士を話ながら解釈をつくっていました。
校内研でも、ここの発言は話題になりました。
校内研では、導入部分の劇化の場面をみんなは、じゅんさんやすみこさんの劇に注目してみていたが、きっとさらささんやあやこさんはナニヌネノンの乗り物をお父さんの乗っている飛行機と結びつけて考えていたのでぇはないかという話になりました。
このように劇化は、見ている人も登場人物の同化させることができる手立てと考えることが出来ます。
少し話がそれましたが、
ここでの話し合いを踏まえて、みきとナニヌネノンの関係性について目を向けさせることにしました。
T :みきちゃんはナニヌネノンのことをどう思っているの?
こうし:また会いたいな~きっとナニヌネノンに対していろんな気持ちが詰まっていると思 う。となるとナニヌネノンも友達と思っているのかな?
CC :うんうん!
ももこ:待ち遠しい気持ち。最後かもしれないな~さみしいなって感じ。
T :どこから分かりそう?
ももこ:だって、将来の夢が決まるんだよ。きっとまた必ず会いたいよ。
関係性ととらえること自体、中学年の指導事項ですが、ここまで解釈がでたら深められそうかなと思い発問しましたが、少し難しさがあったようです。
少し話しが逸れますが、次時では少し目が向いていました。
その後自分たちのふきだし本の再考に向かいました。
その後子どもたちは、次の吹き出しを付けていきながら解釈を検討する姿がありました。
次時では、最後の場面の問いについて考えることを行っていきました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
国語科 岩﨑兼司
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