「きつつきの商売」(光村図書3年上)の教材研究&指導案&板書〜“言葉遊び”から始める単元びらき〜

公開日: 2022年4月17日日曜日 教材研究


単元びらきの板書(※□で消してある箇所は子どもの名前です)

「きつつきの商売」(光村図書3年上)は,短編集『森のお店やさん』(林原玉枝作)に収録された作品の一つです。

たぬきの『幸福のおみくじや』。
はりねずみの『ぽけっとや』。
そして,もぐらが代々やっている『おやおやや」。
どれもユニークで,ちょっぴり笑えたり,ほっこりしたりするお話がたくさんつまっています。

その中から,教科書には「きつつきの商売」が収録されていますが,実は教科書には掲載されていない「その3」があります。興味のある方はぜひ読んでみてください!

前置きはこのくらいにして,本題です。


1「きつつきの商売」の教材研究

まずはちょっとだけ教材研究。
この「きつつきの商売」の特徴は,「音」にあります。

きつつきが開いたお店は「おとや」。
その看板にはこんな言葉が刻まれています。

「できたてのいい音,すてきないい音,お聞かせします。四分音符一こにつき,どれでも百リル。」


作中には「コーン。」「シャバシャバシャバ。」「パシパシピシピシ。」「パリパリパリ。」
「ドウドウドウ。」「ザワザワザワザ。」など,『おとや』の商品であるさまざまな音の表現がたくさん!

それらが「どんな音なのか」を想像するのがとても楽しい作品です。

例えば「1」の「コーン」というぶなの木の音。
「コーン」という表記だけなら,さまざまな音が想像できますが,場面の様子にぴったりの音を想像するには,次のような叙述が手がかりになります。

①「四分音符分ちょうだい。」
② きつつきは,ぶなの木のみきを,くちばしで力いっぱいたたきました。
③ ぶなの木の音が,ぶなの森にこだましました。
④ 野うさぎは,きつつきを見上げたままだまって聞いていました
⑤ きつつきも,うっとり聞いていました。
⑥ 四分音符分よりも,うんと長い時間がすぎてゆきました。

教科書の「たいせつ」には
「場面のようすや,登場人物の気もちをそうぞうする」
という身につける力が示されています。
①〜⑥の叙述を関連づけていくと,以下のような様子や気もちが想像できます。

・「①四分音符分」「②力いっぱい」→ある程度大きい音で,長さは四分音符分。
・「③こだま」→きつつきが鳴らした音は四分音符分だが,こだましてそれ以上に響いている。
・「④見上げたまま,だまって」「⑤うっとり」→野うさぎもきつつきも,その音に聞き入っている。
・「⑥うんと長い時間」→静かな森の中で,余韻に浸っている二人の気持ちが想像できる。

このように,『おとや』の奏でる「音」に着目していくことで,場面の様子や人物の気もちを想像することをたのしみながら学んでいくことができるすてきな作品です。



2 学習指導案 

今回は,“言葉遊び”をしながら,単元の見通しをもつ単元びらき(第1時)の学習指導案をご紹介します。

<第1時の目標>

「コーン」がどんな音かを想像しながらチラシの文言について話し合う活動を通して,場面の様子や登場人物の行動・気持ちなどについて,叙述を基に捉える見通しをもつことができる。














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