【ごんぎつね⑦】『最後の一通(仮)』で,兵十視点の読みを促す

公開日: 2023年11月20日月曜日 「ごんぎつね」(光村図書/東京書籍/教育出版)

  



第7時の目標

『最後の一通(仮)』で自分の考えの深まりを確かめ,これからの見通しや今の考えを話し合うことで,問いを見直したり,その解決のための根拠や理由付けを広げたりすることができる。

主な学習活動

① 最後の一通(仮)を書き,残り3時間の見通しを考える。
② それぞれの問いや現時点での考えを共有し,見通しを明確にする。
③ それぞれで活動に取り組む。
④ どの手紙にするかを選んで書き,本時の学習を振り返る。

学びの実際

<学習活動①> 

『最後の一通(仮)』を書き,残り3時間の見通しを考える。


本時では,第二次が残り3時間であるという学習計画を再度確認した上で,その時間で自分の考えをどう深めていくかの見通しを立てることを目標にしました。

そのための主たる手立てが,『最後の一通(仮)』を書くという活動です。

前時までで,ごんの視点で読み深めてきているものの,兵十の視点からは読めていない姿が多く見られました。
これは,第6場面でごんから兵十への「視点の転換」がおきるという作品の構造上,ある程度想定される状態です。
そこで,次のような『最後の一通(仮)』のワークシートに,現時点での考えを書いていきました。
時間は10分程度です。

ゆうこさんの『最後の一通(仮)』
ゆうこさんを全体を取り上げ,書けていない部分について尋ねると,
ごんのところは「問いが未解決」,兵十のところは「全然やっていなかったことに気付いた」と発言しました。
それを聞いて「私もごんばっかり考えてた」「兵十やってない!」とつぶやく子どもも多かったです。
あおこさんの『最後の一通(仮)』
もう一人取り上げたあおこさんは,これまで,ごん・兵十の両方と手紙のやり取りをしていました。それをもとに上の部分は書けていたのですが,『私はこう語りつぐ』の部分は悩み中とのことでした。
最後の部分については,書けていても悩んでいるという子も多かったです。

この二人を取り上げた上で,残り3時間で,より考えを深めるために,自分はどんな問いの解決に取り組めばよいかを考え,ノートに書く時間をとりました。

<学習活動②> 

それぞれの問いや現時点での考えを共有し,見通しを明確にする。


それぞれの見通しについて発言を促したところ,主に次の3つが出されました。
「最後の場面での兵十の気持ちは?」
「4・5場面の時,兵十はどう思っていたのか?」
「ごんは,火縄銃で撃たれることは想定内だったのか?」

特に3つ目については,これまで各自で解決していた問いと関連がある子どもが多かったので,議論になりました。

「ごんは,4・5場面で「神様のしわざ」と言われて不満があったから…」
「前は家の中に入っていなかったのに,6の場面で入っているってことは…」
「1場面で『うわあ,ぬすっとぎつねめ。』と言われて兵十に恨まれているんだから…」
などのように,様々な場面を関連付けた発言が見られました。

この話し合いを通して,
①叙述に立ち返ること
②一つの問いの解決のために,様々な場面を関連付けられること
③話し合うことで,問いがより広がったり深まったりすること
を経験できたと思います。

ここで大切にしたかったのは,全体で一つの解にまとめることではなく,自分の考えを深めることでした。
そこで,まだ意見は分かれていましたが,自分に活かせそうなところを考えさせた上で,各自の活動に入りました。

<学習活動③> 

それぞれで活動に取り組む。

続きを話し合う
自分の問いに立ち返って話し合う
劇をする
わかったことを手紙に書く
など 各自で選んだ活動に取り組みました。

下の表は、その中で各自が更新した問いや考えを一覧にしたものです。
暖色はごんに関する問い、寒色は兵十に関する問いです。
前時までは、前者が多かったですが、この日は兵十に対する問いがかなり増えていました。
学習活動①に手立てがうまく働いていたのだと思います。

<学習活動④> 

どの手紙にするかを選んで書き,本時の学習を振り返る。

最後に,前時までと同様,「ごんへ」「兵十へ」「ごんからの返事」「兵十からの返事」から選んで手紙を書きました。
この日は,『最後の一通(仮)』で書き換えたいことが見つかったら,それも取り組んでよいことにしました。
その上で,今の問いの解決状況や考えの納得度を振り返り,国語日記を書いていきました。

さあ、最後の一通を書き上げるまであと2時間。
単元も佳境に入ってきました。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

国語科 溝上 剛道


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