【スイミー③】「ガブガブ」じゃなくて「ガブ」〜<ひとくちで>という叙述への立ち止まり〜

公開日: 2024年6月2日日曜日 「スイミー」(光村図書2年上) オノマトペ

 

第3時の目標

『あのねシアター』の幕分けを話し合い、その第1幕を演じる活動を通して、内容の大体を捉えるとともに、まぐろの大きさや速さを具体的に想像することができる。

主な学習活動

①『あのねシアター』の幕分けについて話し合う。
② 第1幕を全員で演じながら、問いを解決する。
③ 演じてわかったことや新たな疑問を振り返り、『スイミーあのね』を書く。

学びの実際

<学習活動①>『あのねシアター』の幕分けについて話し合う。

今日からいよいよ即興劇をスタートさせます。
ただその前に、どこまでをひとまとまりでやるかを話し合いました。

これは、ストーリーのまとまりを考えることで、目標に挙げている「内容の大体を捉える」ことを意図した活動です。

ただ、子どもたちからは予想外の発言が!
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かのこ:7番と8番の間で分けるといいと思います。だって、ちょうど半分になるからです。
C:ああ。
C:いいね!
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14場面だから、7場面ずつでちょうど半分。なんと、数に着目した考えが出てきました。
なるほど!2年生の現在地ってこの辺なんだなあと、学び直しました。
とってもとっても興味深い考えです。

ただ、その後こんな発言が続いていきました。
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わかば:私は違うと思う。
りょうた:スイミーが下の方に逃げていって、次の章に入るところでしょ。
ゆづか:場所とか場面で変えた方がいいかも。
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こうした発言から、場所や場面が大きく変わるところを探していき、大きく分けると

第1幕 きょうだいたちをなくしたスイミー(第1〜3場面)
第2幕 すばらしいものとの出会い(第4〜9場面)
第3幕 新しいなかまとの生活(第10〜14場面)

の全3幕構成で劇ができそうという話になりました。


<学習活動②第1幕を全員で演じながら、問いを解決する。

活動①では、ストーリーのまとまりを大きく3幕構成でとらえていきましたが、細かいところについては、意見が分かれていました。
そんな中、そうきくんが

「やってみてたしかめようよ。」と発言します。
 その声から、実際に演じる活動に入っていきました。

冒頭の<ひろいうみのどこかに、ちいさなさかなのきょうだいたちが、たのしくくらしていた。>を演じる子どもたち。
とっても楽しそうにお話ししたり

追いかけっこをしている子どもも。ちなみに先頭はスイミー役の子です。

この時間の話題の中心になったのが、第2場面のまぐろに食べられるところ。
床に寝そべっているのは、まぐろに食べられた赤い魚たちです。

この時の即興劇についてみんなで振り返ると「『ひとくちで』って書いてあるよ!」「しかも『のみこんだ』だよ!」「だから、ガブガブじゃなくて、ガブだよ!」などの発言が出てきました。(※「ガブ」はまぐろが赤い魚たちを食べる様子を表そうとしたオノマトペ)
そこで、もう一回やってみることに。
今度は、一口で食べられてしまいました!

演じてみて、感じたことを話し合い、またやってみる。
その繰り返しの中で「ひとくちで」「のみこんだ」などの叙述に立ち止まりながら、「ガブガブじゃなくてガブ」のように自分なりの表現で理解していく。

そんな姿が生まれてきました。


<学習活動③演じてわかったことや新たな疑問を振り返り、『スイミーあのね』を書く。

最後に、即興劇をやってみて感じたこと・分かったこと・新たに湧いてきた疑問を振り返り、『スイミーあのね』として書き綴っていきました。
この子は、
「ぼくは赤い魚やくだったからまぐろがくるときはこわかったよ」
「あせってにげるといいとおもったよ。」
のように、<なる>活動を通して“体感”したことを綴っています。








「さいしょはガブガブしてたけど、『一口』ってかいてるから『ガブ』ってしりました」
文章自体は短いですが、叙述に立ち返った記述です。

しかし、この子のように、自分が立ち止まった叙述を記述できている子どもは限られていました。
そこで、次時ではこの『スイミーあのね』を取り上げ、身体表現と叙述とを結び付けることを共有していきたいと思います。


今回も最後までお読みいただきありがとうございました。


国語科 溝上 剛道













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