たずねびと【第2時】(光村図書5年)

公開日: 2025年6月18日水曜日

こんにちは。国語科の木下です。
「たずねびと」第2時です。
この時間は、言語活動に取り組む時間としました。
言語活動名は「たずねびと紀行文」としました。

第2時の目標

 前時の学習を振り返り、言語活動への見通しをもち、根拠となる叙述を基に自分の「たずねびと紀行文」をつくる。

主な学習活動

① 単元の見通しをもち、よりよい言語活動の視点を共有する
② 文章を読み、自分の紀行文を書く
③ 本時の学習を振り返り、活動の手応えを記述する

学びの実際

〈学習活動①〉前時の学習を振り返り、言語活動の見通しをもつ
 T:前回、結構書けたよって人
きょう:全然、自信ないです。(他、多数)
 T:この活動に名前を付けたいんだけど、
  旅の記録に実は格好いいのがあったんです。
 T:紀行文って言うんですけど
 C:おおー
 T:なので「たずねびと紀行文」にしたいと思います
   それも、綾のね。「僕は」って書いている人が
  いたけど、綾の立場で書いていけるといいですね。
けん:綾の気持ちになって書く
 T:なるほど、けんくんは綾の気持ちが書けるといいな
  てことなのかな。
あい:綾が考えたことを書くといい。
 T:いいね。考えたことを書くといい。
けん:広島に実際に行ったから、綾の気持ちを考えたら紀行文
   がもっと、よりよくなると思う。
 T:心情があるといいだね。もっとよりよくしたいんだ。
   もっとよりよくなっているかは、一つみんなの手応えに
   なりそうだね。
あい:半分くらい資料館を見たら胸が苦しくなったとあったから
   そう言うところから考えて書くといい。
 T:心情とも繋がりそうなところだね。感じたことや思ったこと
  もよりよくの目安になりそうだね。原爆資料館のところ以外にも
  そういうところあるかな。出来事かな
じん:最後の橋のところ。
 T:橋の場面、八の場面かな。こいうところが書けてくると
  よくなりそうですね。今、こんな旅にしてますってある?
けん:昔の人たちが原爆を受けて苦しんでいた思いを知る旅
 T:みんなどう?
CC:うーん
 T:けんくん的には手応えあった?
けん:全体的に考えると不思議な場面もあって、原爆ドームの場面もあって
   そう考えるとまだ分からない。全体的に考えると原爆のことが多いから
しん:アヤちゃんの正体を見破る旅。全部、まとめた感じだったから
   もっと詳しくした。
じん:正体も何もないよね?何か見破った?

 子どもたちは、一読しただけでは、まだまだ読み深めていくことはできていないようでした。その中で、少し「よりよく」の具体を「心情」「感じたこと」「出来事」「場面」「全体的に考える」という言葉で共有しました。この後、書き換えに移る子ども、掲示文を読み合いに行く子どもと個々の活動に移行しました。

〈学習活動②〉自分の紀行文をつくりかえる

※ 八の場面に立ち止まっていた子どもたち

あい:名前でしかない人、数でしかない人
むぎ:私たちが忘れないでいたらって

かい:名前でしかない人って、、、
あい:誰々さんがいましたっていうポスターだけの 
   人とか数でしかない人は、何万人亡くなりまし
   た
かい:ああ。じゃあ、数でさえない人は、川に流され
   た人
むぎ:文章系って、最初と最後が重要だよね。そこが
   怪しい気がする
あい:最初は綾も数や名前でしかないと思っていたけ
   ど、この旅で変わったんじゃない。
   だから、恐ろしいってことを忘れないでいたら、もう起きない
   てことじゃないかな。

 このグループでは、これまでの出来事と結び付けて最後の暗示性のある表現を解釈しようとしていました。しかし、まだ、綾の心情の変化やどんな思いがあるのかまで読み深めてはいませんでした。この後、別の子どもたちが合流して、数でしかないの意味を考えていました。子どもたちの記述を見ると、それぞれの叙述を結びつけてはいるものの、そこまでで止まっている様子が見られました。その先にある綾の心情を読み深めるには、もう少し時間がかかりそうです。


〈学習活動③〉本時の学習を振り返り、現時点の手応えを記述する

 本時から振り返りの際には、現時点での自分の表現物に対する手応えを色カードを用いて視覚的に捉えることができるようにしました。そして、その理由や次時への見通しを直接言語活動に書き込むことで、対話の相手を選択したり、次時で考えたいことを調整したりして自己の学びをコントロールできるようにしました。(下記振り返り参照)



 子どもたちの読みの状態は、個々で大きく差があるようでした。上記の子たちのように、ある程度促進している子どもたちもいれば、まだまだ綾の心情に迫れていないグループも多くありました。中でも、綾がそもそもどうして広島に行こうと思ったのかについては、多くの子が立ち止まっていました。自分の経験上、同姓同名というだけで隣の県まで行くのだろうかというある子ども問いに、お母さんが連れて行ってくれるから行くことにした。と考えていました。綾が広島へと行きたいと思いをどれほどもっていたのか掴めていない子が振り返りから見られたため、次回は一の場面から始まる綾の思いに焦点化していこうと思います。

第3時へと続きます。




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