6年「学級討論会を開こう」の導入の授業

公開日: 2018年5月27日日曜日


基本的に子どもたちは,討論などの話し合いが大好きです。学級の風土にもよりますが,これまで私が担任してきた6年生は,みんなこの単元に楽しみながら取り組んできました。しかし,改善しないといけない点もありました。それが次の2点です。

 

●討論についての意識が高まっていないまま,討論会の進め方を説明したために,子どもが学習内容と距離を感じ,意欲を低下させてしまう。

●討論会の進め方がわかるように「進行シート」を準備するが,話し合い全体の流れを意識することなく,シートに書かれたまま進めていってしまう。そのため,シートがなくなったら,討論ができなくなるのではないかと感じてしまう。

 
この2点を改善するために,「みんなが主体的・対話的に討論できるようになるために,ミニ討論ゲームを活用した単元」を構想しました。



⑴単元のリード文から学習の見通しをもつ。

  …「肯定(賛成)」「否定(反対)」という立場

「主張する」と「言い合う」という姿の違い

討論の目的の共有化(肯定と否定の二つの側面から議題について捉え,考えを広げる)

   単元の学習を6時間で進めるということ

⑵最終的な学級討論会の形を提示し,イメージをもたせる。

  …教科書の挿絵を使いながら,学級討論会のイメージを具体的にもたせる。

⑶ミニ討論ゲームを通して,討論会の流れをつかむ。

  …ゲームの進め方として,「両側の最初の主張→質疑応答→最後の主張→判定」の流れを簡単に確認する。

グループは生活班を使い,「司会」「肯定側」「否定側」「判定」の4つの役割を与える。この役割は1回のミニ討論ゲームのたびに時計回りで交代させていく。

「司会」の子どもに考える時間を1分~2分状況に応じて与えるようにさせる。

「判定」は議題を自分がどう考えるかで判定するのではなく,互いの主張の納得の度合いで判定できるようにする。

⑷ミニ討論ゲームをやってみての難しさを共有するための振り返りを行う。

  …始まる前に挨拶をきちんとする。

   討論ゲームはゲームなので,負けても「そうか,よし,次頑張ろう。」と考えるようにする。

   「肯定側」も「否定側」も両方が納得する上手な判定があること

 

この流れで進める上での注意点は以下の通りです。

⑴ どのような学びにも,学習の見通しが必要です。加えて,学ぶ価値などもしっかり説明していきます。そんな価値を単元の学習を終える段階になって気づくような後出し的な学びにしないようにしたいですね。

⑵ 最後の姿のイメージは持たせておくことが大切です。イメージできるようにイラストや板書を活用しましょう。

⑶ 「ゲームの進め方」に討論の進め方を入れ込みましょう。子どもたちはゲームをしながら,討論を体験的に学んでいきます。今回は完璧に進められなくても大丈夫です。やりながら子どもたちともに修正していき,子どもたちの理解を伴った改善にしていきます。この方が子どもたちの力になっていきます。

⑷ ふり返りは大切です。単元の学習を進めていく上で必要なふり返りは積極的に取り上げ,ふり返りを表現することで,自分たちの学びがよりよくなっていくことを実感させましょう。


実際に上記の方法でやらせてみると,子どもたちは「討論をする」という言語活動に感覚的な面白さをもったまま,ミニ討論ゲームに入っていきます。また,ミニ討論ゲームで使う下の議題を1つずつ提示していくことで,子どもたちは飽きることなく,討論の経験を積み重ねることができます。そんな経験が積み重なっていく中で,学級全体で行う「学級討論会」を全員が行えるようになっていきます。(この時間では,1つの議題だけで終わった。積み重ねていくのは単元全体を通して行っていく。)

 

<ミニ討論ゲームの議題カード>…いろいろな実践例を参考にしています。

・図書館には漫画を置いてもよい。

・土曜日は学校があった方がよい。

・テレビゲームはない方がよい。

・テストはない方がよい。

・レストランはすべて禁煙の方がよい。

・お年玉はない方がよい。

・宿題はない方がよい。

・お年寄り専用の座席を増やすべきだ。

・小学校は私服がよい。

・子どもたちは掃除しなくてもよい。
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