「まいごのかぎ」第三時

公開日: 2023年6月14日水曜日

 第三時です。

この時間は,前回の振り返りから,子どもたちと「なぜ三回も四回もかぎをさしただろうか」

という課題を設定しました。そして,三の場面(あじにかぎをさす),四の場面(バス停に

かぎをさす)に絞ってインタビューを行いました。

授業の初めに,どちらの場面でインタビューをしようと考えているのかを全体で共有し,

子どもたちがインタビューする相手を選択できるようにしました。

【四の場面】(バス停にかぎをさしたところ)を考えているグループ

C:どうしたかぎをさしたの?

C:かぎをさすとたのしことが起こるからさした。(この子は不思議な出来事を楽しいと

 前時から捉えていました)

C:どういうふうに楽しいの?後,楽しいってもっと詳しく教えてくれる?

C:楽しいは,普通ものとかは動かないけど,このかぎをさしたら動くからそういうのが

  楽しい。

C:でも,りいこちゃんは余計なことしちゃったなあってずっと落ち込んでますけど,なんで

  楽しいんですか。

C:ええっと,かぎを楽しいなって思ってさしたのが余計だなって。余計なことだけど,

 さしたら持ち主が分かるかなって。

C:さしたら持ち主が分かるの?

(別の子にりいこ役が変わって)

C:りいこさん,なんで三回も,四回もさしたんですか?

C:だって,面白かったから。

C:でも,それが本当に面白いのか分かりません,どうして何回もさしたんですか?

C:その前が,すごく面白かったから何回もさしたんです。

C:面白いにもいろいろあるけど,どんなふうに面白いんですか?

C:さした後にいろいろ起こるから,気になるんです。

C:ああ。確かに。私もたまに,やっちゃう。

C:落ち込んでいるのに楽しいってどういうことですか?

C:うさぎがかわいそうで落ち込んでいたけど,かぎをさして楽しくなった。

C:でも,あじの開きのところでまた余計なことをしちゃって,それでまた落ち込んで

 いたんじゃないんですか?

C:かぎがついたままあじが飛んで行っちゃったら,ついていけるかなって。

このグループでは,りいこの楽しい気持ちに寄り添ってインタビューを行なっていまし

たが,少し根拠が見えにくく自分たちの想像だけになっていました。そこで,叙述に立ち

戻れるよう拡大掲示でなんと書いてあったか確かめてみるように声かけをしました。

【本文を見ながら】

C:ここ「どうしよう」って迷ってますよね。迷っているってことは,やりたい気持ちも

  あったってことだよね。

C:けど,さすとどうなるかな〜って思っているってことだよね。

C:前の時も余計なことはやめようって言ってたけど,「これでさいごだからね」って

  言っているから反省してたけど,やったってこと?

C:ここどういうことですか?

C:ええっと,あじの時もかぎをさしちゃって大変なことになったけど,それでもやっぱり

 何が起きるのかなって思ってさした。

叙述を根拠にすることで,「さしたい気持ち」と「余計なことはしたくない」と気持ちの

間で葛藤するりいこの気持ちの変化をインタビューをしながら想像することができていま

した。

全体の場でも,インタビューを通してりいこが「なぜ何回もかぎをさしのたか」について

叙述を基にしながら「りいこはやっちゃいけないと思っていたけど,やっぱり気になって

さしてしまった」「りいこは自分の気持ちを押さえつけようとしていた」「自分自身は思

いもしなかったことに楽しいと思っちゃったけど,人に迷惑かけてしまうかもしれない」

など,りいこの気持ちが揺れ動いていることに気付いていました。

それでも,やっぱりかぎをさしてしまうりいこちゃんは,「最後は自分の好きなことに負け

てしまう」子どもなんだと考えていました。

子どもたちの振り返りでは,「もっとバス停の場面でのりいこちゃんの気持ちを詳しく

知りたい」という意見と「最後の場面について考えていて,少しいインタビューしてみた」

という意見が出てきていたので,次時では,四の場面・五の場面を中心にインタビューに

取り組もうと思います。



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