【実践紹介⑤ー1】「一つの花」~他の場面とつなげることで気持ちが見えてくる?~

公開日: 2024年10月5日土曜日

 「一つの花」5時間目です。

前時では、困りごとを出し合う中で他の場面とつなげて考えることで、父や母の気持ちが分かるのではないかと考えた子どもたち。しかし、子どもたちの見通しとしてはばらつきがあります。

〇どの場面とつなげれば気持ちが語れそうか見通せている子(10人程度)

〇他の場面にとつなげることには納得しているものの、どの場面とつなげればいいのか、どの叙述とつなげればいいので悩んでいる子(15人程度)

〇他の場面とつなげることにピンと来ていない子(10人程)

そこで、本時では他の場面とつなげて気持ちを考えるための見通しを共有し、読み取った気持ちを基に変身作文を書きかえていきます。

【本時の目標】

 他の場面とクライマックス場面をつなげて気持ちを考えることを通して、「一つの花」に込められた思いについて想像し、変身作文に生かすことができる。

【実際の授業の様子】

①前時の振り返りをし、本時の課題をたてる。

 まず初めに、ある児童の振り返りを共有することから始めました。

けいと:僕は今書いている変身作文で「よかったー。」くらいしかお父さんの気持ちを書けていないから、そこをもっと詳しく書きたいです。

えりな:同じです。お父さんが花を渡す場面だけだと、台詞とかあまり書いてなくて、よかったくらいしか書けていないです。

T:でも、「よかった。」って気持ちだよね?気持ちが書けてるならいいんじゃないの?

C:いや、ダメな理由があります。

まどか:よかったっていう気持ちだけじゃ、嬉しいみたいな感じだけど、花をあげたときの気持ちがそれしかないのは、それだけじゃない気がする。よかっただけじゃない。

しんじ:よかったは、あまりいい気がしない。泣いて焦ってたから渡しただけみたい。気持ちがこもっていない。

T:なるほど、お父さんの気持ちはまだ語りきれていない感じがするんだね?ひさこさんは、お母さん目線でも書いてくれてたよね。

ひさこ:お父さんが分からないのもあるけれど、お母さんは台詞も行動もないからもっと分からない。何が正解か分からない感じ。

C:たしかに。お母さんはゆみ子をだっこしているだけだから・・・。


②花を渡した場面のお父さん、お母さんの気持ちを考えるにはどの場面とつなげられそうか考える。

だいち:そこの場面(4の場面)だけだと、台詞や行動が少ないからつかみにくい。

T:前の時間みんなは、他の場面とつなげて考えるといいって考えたよね。どの場面とならつなげて考えられそうかな?

あきお:2の場面。「いったい大きくなってどんな子に育つだろう。」と書いてあって、気持ちが分かりやすい。

ななみ:そのあとにお父さんが高い高いをしているから、行動もあって考えやすそう。

ゆかり:台詞に行動を付けて考えたら台詞だけより気持ちが考えられそう。

C:台詞だけを何回も読み直していけば考えられそう。

C:挿絵を見て考えることもできそう。

子どもたちは、2の場面とつなげて考えることで、より花にこめた思いについて考えられるのではないかという見通しを立てました。また、その際に、セリフに着目すること、行動に着目することなどがあげられました。

T:台詞だけじゃなく、行動にも注目するといいんだね。じゃあ、先生やってみるね。高い高いするところをやってみるよ。(満面の笑顔で高い高いする様子を演じる)


C:いやなんか違う。矛盾してる。

せいら:行動はあってた。でも表情が違う。お母さんが「かわいそうな子でしょうね。」って、お父さんは「もらえないかもしれない。」って言っているから、やるとしても笑顔ではないと思う。ゆみ子に語りかける感じで言っている。

しんじ:ゆみ子はどんな風に成長するのかなぁと考えている感じ。

あえて、教師のエラーモデルを見せることで、ゆみ子に対する父・母の思いが出てきました。そこで、表情にも注目すると気持ちを考えられるという見通しも共有し、グループでの活動に移りました。

次回は、グループでの学びがどのように進んでいたのかについて書きたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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