【実践紹介④「一つの花」~本当に気持ちは語りきれているのか?~
公開日: 2024年9月25日水曜日
「一つの花」四時間目です。
前時では、父目線、母目線を選び変身作文を書いています。しかし、前回のブログでも書いたように、まだまだ登場人物の気持ちを語りきれていないものが多いです。そこで、本時では、お互いの変身作文を読み合いながら、まだ明らかになっていないところを共有し、書きかえていくための見通しを立てていきます。
【本時の目標】
お父さん、お母さん目線での変身作文を読み合い困りごとを出し合うことを通して、書きかえのための見通しをもつ。
【実際の授業の様子】
①自分の変身作文についての納得度を出し合う。
T:みんなは今変身作文を何のために書いているんだっけ?
C:登場人物の気持ちを想像するため。
C:登場人物の気持ちを語るため。
C:もっと本を面白く読むため。
T:そうだったね。じゃあ、みんなの変身作文はもう気持ちを語れてますか?
えいと:まだ、お父さんの気持ちで分からないところがあります。お父さんは、コスモスの花をゆみ子に渡したけど、どんな気持ちで渡しているかが分からないです。
ななみ:つなげるんですけど、お父さんはコスモスを一つだけあげているけど、二の場面では、ゆみ子のことを「かわいそうな子」って言っているからもっとたくさんあげたらいいのにと思って、そこの気持ちが分からないです。
C:あ~、なるほど。確かに。
T:今の二人の話を聞いて、お父さんが花を渡す気持ちを考えてなかったなっていう人どのくらいいる?
(半分くらいの子が手を挙げる。)
T:もしかしたら、もっと語れるところあるかもしれないね。友達と変身作文を読み合って、書きかえられそうなところを探してみよう。
②お互いの変身作文を読み合い、書きかえられそうなところを探す。
T:どんなところを書きかえられそうですか?
みちお:僕はやっぱり、コスモスの花を渡すところの気持ちが想像できませんでした。お父さんは何か考えていると思うけど、気持ちがないから想像できませんでした。
えいと:つなげるんですけど、ゆみ子はたくさんおにぎりを食べても満足しなかったのに、たった一つの花を渡そうと思ったのが気持ちが分かりませんでした。
えりか:私はコスモスの花を渡したところで、気持ちが書いていないから勝手に想像してしまって、悲しいくらいの気持ちしか書いていなかったのでもっと詳しく書けると思う。
T:なるほど、みんなはお父さんの気持ちを語りきれていない気がしてるけど、気持ちが書いていないから困っているんだね。
このようにして書きかえられそうなところを探しながら、困っているところや問いを出し合っていきました。しかし、子どもたちとしては、叙述で明確に気持ちが語られていないから気持ちを「自分勝手に」想像していると感じているようでした。
③気持ちを想像するための方法を出し合う。
その後子どもたちと気持ちを想像するための方法を出し合っていきました。子どもたちからは次のような方法が出されました。
(1)劇にしてみることで行動の様子から気持ちを想像できる
(2)登場人物の表情にも注目することで気持ちを想像できる
(3)クライマックス場面だけでなく、その前の場面の気持ちも考えてクライマックス場面につなげる
次回は、子どもたちから出された方法で気持ちを想像していきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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