2月8日の『「海の命」を用いて、自己の考えを形成する力を高める授業』のリフレクション

公開日: 2019年2月19日火曜日

2月17日(日)に、佐賀大学にて研究発表会の授業リフレクションを行いました。

研究発表会の公開授業をご参観いただいた先生から、授業リフレクションのご依頼をいただき、佐賀の指月会で授業リフレクションをさせていただきました。

この会では、佐賀の本庄小の先生お2人も、本校と同日の2月8日に実施した公開授業のリフレクションを行われました。

同日実施だったため、決して参観できない授業ですが、リフレクションを通して、自分の授業について考える機会を得ることができました。

その際の様子をご紹介させていただきます。

 
 
 
 
まず、単元構想についてお話しさせていただきました。
「海の命」という教材の特性についてお話ししました。元々の「一人の海」を教科書サイズに書き直したため、元々書かれた描写が削られていたり、叙述が削られたことにより生まれた飛躍をどのように埋めていくのかが読み手にゆだねられた部分が大きい物語であることなどをお話ししました。
 
そんな海の命だからこそ、子どもたちには多様な読みが生まれ、人物相互の関係や物語の全体像などの叙述を関連づけて読む力を育てられるのではないかということについてもお話させていただいたところです。 (「海の命」の教材研究の詳細は今年度本校で作成したDVD紀要に,「海の命」の教材研究について述べさせていただいております。)
 


次に、本単元の言語活動として開発した「私と太一で創る対談記」についてご説明させていただきました。

子どもたちは物語の中心人物である太一と対談する状況を仮定して、太一にこんな質問をしたら、どう答えるのかを想像しながら対談記を書いていくのです。

全部で4章からなり、それぞれの章を書くために、子どもたちは物語と向き合います。
そして、より深い対談記を書くために、子どもたちは物語を読み解くための「わたしの問い」を見いだし、その解決に粘り強く取り組んでいきます。そんな学びの姿を、360度カメラによって撮影した子どもの対話の様子をもとに、協議を進めていきました。

公開授業の始まりの子どもたちの学びの状態は、 対談記を書き始めている子どもと、対談記を書くための「わたしの問い」の解決に取り組んでいる子どもがいる状態でした。そのような学びの中で、「太一さんは、なぜ『泣きそうになりながら思う』から『ふっとほほえみ』に変わったのですかという質問に、太一さんならなんと答えるのだろうか。」という問いをもった子どもたちで、小グループをつくり、解決を進めました。

しかし、その小グループの解決でも、こう答えると納得できる考えができあがらなかったので、小グループの内の1人が全体に問いかけていった、その様子を参加の先生方と見つめていきました。

全体で対話する中で、子どもたちからたくさんの読みが出されましたが、そのまとめとして、私が教材内容のまとめではなく、読み方や解決策のまとめをしていきました。いわゆるこここそが、コンテンツを共有する授業ではなく、コンピテンシーを共有する授業になると考え、そのようなまとめを行いました。

この私のまとめをすることで、子どもたちの言語活動がどのようになっていったのかも見つめていきました。実際に取り上げた子どもたちの学びは、振り返りの時間になっても、「わたしの問い」の解決に取り組み続けた様子がありました。

小グループの中から渡された対話のバトンを、全体の子どもたちで引き継ぎ、対話を紡いでいったのです。



参加された先生方から受けた質問は以下の通りでした。どの質問も本質をついた質の高い内容の質問でした。実は公開授業の時には、時間が足りずふれることができなかった内容ばかり出されたので、答えていてとても楽しかったです。そんな質疑応答の中でこそ、よりよい実践は生み出されていくのだと思います。

〇 全体での話し合いの後のまとめでは、教材内容のまとめをしがちであるが、読み方や問いの解決の仕方などのコンピテンシーのまとめを中尾先生は行われていたのが、参考になった。実践紹介や授業記録の中に、「わたしの問い」の解決の「発展」と「更新」とあるが、どういう意味なのか、具体的に教えていただきたい。

〇2年前に行った「海の命」の授業と比較して、今回の言語活動を通して言葉の力をつける授業との違いはどこにあったのか。

〇前時の振り返りの中で、「誰もが思いつかない問いをつくりたい」と言っていた女の子の、その後の学びの様子はどうなっていったのか。                    

等々

知的な興奮のある時間は何よりも楽しい時間でした。



指月会の中では、佐賀大学の達富洋二先生から単元学習についてのご講話もいただきました。

・言語活動の開発の仕方
・よりよい学習課題の設定の仕方
・言語活動の属性について
・単元開きの重要性について
・言語活動の階層について

等々

全ての内容が新鮮で、また新たな授業の発想をたくさんいただきました。
熊本から初めて参加させていただきましたが、とても学び多い時間がこの指月会にはあるなと感じました。私もより知的興奮の得られる会を、熊本でも開いていきたいと思わされました。

2月21日の木曜日19時より本校熊大附属小で開きます「熊大附属小国語授業研究会(仮)」でも実施していきたいと考えています。2月21日には、本校の溝上先生に「スーホの白い馬」の教材研究について、ご説明をいただくことになっています。「スーホの白い馬」は光村図書の物語文の低学年最後の単元になっています。つまり、低学年の物語文の読みの最終形を具体にしなければならない教材となっています。この「スーホの白い馬」の教材研究を元に、低学年の読み物教材の教材解釈の方法を明らかにしていきたいと思っております。

さらには、2月23日に京都教育大学附属小中学校で、「子どもが自ら問いを作り出す授業」という題でお話をさせていただく予定になっております。

京都教育大学附属小中学校にお近くの先生でご都合つかれる先生がいらっしゃいましたら、ぜひご参加ください。今回公開授業を行いました「海の命」を用いて自己の考えを形成する力を高める授業の実践を元にお話しさせていただきます。脳みそで汗のかける時間を生み出していきますので、ご参加お待ちしております。
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