2月23日の京小国語教室の会での講演について

公開日: 2019年2月25日月曜日

2月23日の土曜日に、京都教育大学附属小中学校で「子どもが自ら問いを作り出す授業」という題で講演させていただきました。

会の始まりから温かい雰囲気の中でお話しさせていただくことができたので、熊本で勤務する私としては、とても話しやすかったです。

ご参会された関西の先生方に感謝申し上げます。


今回、講演と題していただいてお話したのですが、お話した内容は2月8日に本校で行いました光村図書の「海の命」を用いて「自己の考えを形成する力を高める授業」の実践を基にお話させていただきました。

文科省が求める「主体的・対話的で深い学び」を生み出す時に、私たちに求められているものは何なかというお話から始め、「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」を成り立たせる条件を満たすために必要な指導の具体的な手立てとして、「わたしの問い」の実践をご紹介させていただきました。

これからの時代を力強く生き抜く子どもたちを育てるためには、旧態依然の授業のままではいけないのではないか、やはり変えるべきところは変えていかなければならないのではないというお話をさせていただきました。

うなずきながら聞かれる先生方の様子から、ご参会の先生方の意識の高さを感じました。

また、熊本と京都いう離れた土地で互いの教育を推進している私たち教員の問題意識の根底には、しっかりとつながっているものがあるということも実感できました。

教育の問題を考える上で、関西や九州の枠などは関係ないのだろうなと感じさせられました。


お話の中で、「わたしの問い」とは何なのかについて、具体的な子どもの姿をお示しながら、ご説明させていただきました。

「わらぐつの中の神様」を用いて「金婚式の孫スピーチをしよう」という言語活動を進める際に、私の担任する6年生が5年生の時に見いだした「わたしの問い」をお見せした時には、「う~ん!!」と感心する声も聞かれました。
 

やはり、子どもの姿で語った時にこそ、先生方の生の声が聞くことができますね。


会が進むにつれて、ご参加の先生方に「海の命」のクライマックスの場面で自分だったらどんな「わたしの問い」をもつのか考えていただきました。

ここでの「う~ん!!」はとても難しそうでしたが、ご自分で作られた「わたしの問い」を同じ席の方々と交流する際には、「なるほど!!」や「それはいいですね!!」と語られてました。

全体の場でも、お二人の先生方にどんな「わたしの問い」を立てられたのかご発表いただいたところでした。

大人である私たちでも、問いを立てる時には、ある程度の難しさがあります。当然子どもも難しさをもっています。

そんな難しさに戸惑う子どもたちの背中を、そっとと後ろから気づかれないように支えてあげられる教師でいたと思っています。

大人でも難しいとする「わたしの問い」も、きちんとした下支えによって、立てられる力がついてくるのです。

そのスピードは、大人の私たちよりも、より円滑にできるようになっていきます。

子どもたちの力を真っすぐに伸ばしていってあげることが大切なのではないでしょうか。


また、欲張り過ぎたのですが、会の中で「海の命」の教材研究までしようとしました。

これだけで2時間近くかかるのに、ホワイトボードにカードを掲示しながらさっとご説明したところでした。

やはり言語活動を通した授業をする際には、誰よりも教材研究をしてるという自信がないと、堂々とした指導はできないということをお伝えしたくて、お話しました。


 
会の終盤では、実際に「海の命」の言語活動である「私と太一の対談記」を作ってもらいました。
 
時間が10分程しかなく、十分な時間を使えたわけではなかったので、完成には至りませんでしたが、「対談記」に取り組まれている、参会の先生方の表情が、とても明るかったことを覚えています。
 
当然、子どもたちも同じような表情をします。
 
難しいながら、きっと楽しい時間を過ごされたことだと思っております。
 
そんな手応えが明日の授業を変えていく一助になるといいなと考えております。
 
アンケート結果の中には、
〇中尾先生の実践を聞き、ぜひ本校でも実践させていただきたいと感じました。
〇中尾先生のお話からも多くのヒントをいただけました。とても充実した学びの機会をいただけました。
というありがたいご感想もいただくことができました。
 
よりご参会の先生方のニーズに応えることのできる、具体的でわかりやすいお話を準備していきたいと強く考えさせられました。
 
翌日、24日の日曜日には、大阪の八重の会で授業づくりについての研修会でお話しさせていただきました。
 
 
こちらの会は、佐賀大学の達富洋二先生が関わっておられる研究会です。
 
その会の中で、達富先生からご参会の先生方の悩み事を共有することから始めようというお話があり、参加されている先生方からたくさんの指導上の悩みが出されていきました。
 
どれも納得のご意見でした。
 
その中から「4月からどのような手立てを行っていくと、粘り強く話し合うことができるようになるのか」について、私の経験からお話しできることをお話ししました。
 
4月の最初に、教壇に立つ時に私はどのようなことを考え、どのような指導をしているのかをお話ししました。
 
また、グループワークを進める力を高めるための手立てについても、具体的にお話しさせていただきました。
 
会の後半には、達富先生からスライドを使って、子どもたちが本来持っている力を止めてしまうことなく、伸び伸びと育てていくことの大切さについてお話しいただきました。
 
子どもは力のない存在ではなく、本来大きな力を持っていて、それをどのようにして働くようにしていくかが大切だというお話をされました。
 
子どもの学力観を問い直さなければならないという危機意識について、再確認させられました。
 
 
この2日間、とても濃密な時間を過ごすことができました。
 
さらに自分の実践を積み上げていきたいと思わさせてもらえた2日間でした。
 
また、今回の研究会のように、関西や九州の垣根なく、よりよい国語の授業について研究を進めていけるといいなと思った2日間でした。
 
熊本大学教育学部附属小学校 国語科 中尾聡志
 
  • ?±??G???g???[?d????u?b?N?}?[?N???A

0 件のコメント :

コメントを投稿