【大造じいさんとガン⑤】グループ座談を活性化させたものとは?〜学びの文脈と物理的環境デザイン〜

公開日: 2024年2月25日日曜日 「大造じいさんとガン」(光村図書/東京書籍5年)

 

第5時の目標

「大造じいさんはひきょうなのか」を話し合うことを通して、問いを発展させたり、自分の考えを見直したりすることができる。

この日のハイライトは、学習活動③。
グループ座談がとても活性化しました。
そこに影響したのは、前時までの「学びの文脈」「物理的な環境デザイン」だと考えています。

主な学習活動

① 前時の振り返りを共有し、全体で話し合う話題を確かめる。
② 全体で「大造じいさんはひきょうなのか」について話し合う。
③ グループ座談を行う。
④ 座談会録をまとめながら、本時の学習を振り返る。

学びの実際

<学習活動①>前時の振り返りを共有し、全体で話し合う話題を確かめる。



上の写真は、前回一人一人が提出した座談会シートと振り返りです。
青、黄、赤の色カードは、それぞれの問いの解決に対する納得度を表しています。

それを事前に集計しておき、それぞれの人数を初めに紹介しました。
すると、「大造じいさんは、ひきょうなのか?」という問いが未解決という子が多数出てきました。

「ひきょうだよ」
「いや、ひきょうじゃないよ。」
「どっちもあるかな〜」

子どもたちの考えのずれが顕在化してきたところで、前半はこの問いについて全体で話し合っていくことにしました。

<学習活動②>全体で「大造じいさんはひきょうなのか?」について話し合う。



「どうする?考えずれまくってるけど?」と問いかけると、たくやくんが

「分けて考えるといいんじゃない?」と発言しました。

どういうことか問い返すと、

「場面ごとに分けて、ひきょうかひきょうじゃないかを考えればいいと思う。」
と続けます。

これに一同納得。
そこらじゅうで、「1の場面の作戦はさ〜」「でも3の場面は・・・」という話が始まりました。
それを板書で整理していきます。

誰かが発言すると、自然とそれに対して「ああ、確かに」「そうそう」「でもさ…」と話し始める子どもたちが多数出てきます。

「話したい!」という空気感に満ちてきたところで、「じゃあ、それぞれでの座談会行ってみる?」と尋ねると、「はい!」というやる気に満ち溢れた声。
ここからは、各自での話し合いに移りました。

<学習活動③>グループ座談を行う。


この日は「出張座談」がとても多くみられました。
(今回の単元では、他のグループのところへ出掛けて行って話し合うことを「出張座談」と呼んでいます)


そこに影響したものは、3つあると思います。

①前回までに、一旦グループでじっくり話し合う時間を取れていたこと。

②授業前半、全体での話し合いで、誰がどんな考え方をしているのかを共有したこと。

(板書の消している部分は子どもの名前です。これが出張の際の指標になっていました)

③教室にそっと置いておいた100均マイク。

(小道具に走ってはいけませんが、子どもの「聴きに行きたい!」という思いをアシストするツールになっていました。)
この写真も、マイクを使っていますね。
こうして振り返ってみると、この学習活動③の学びの姿は、前時までの学びの文脈(①)と、物理的環境(②③)が影響しているのではないかと考えられます。


<学習活動④>座談会録をまとめながら、本時の学習を振り返る。


この日子どもたちと確かめたのは

「座談会録=座談会の振り返り」ということです。です。

「振り返り」というと、その日の学習感想的に文章でまとめていくことが多いと思います。
しかし、本単元でそれ以上に大切にしたのは、「座談会録」にまとめることを通して自他の言葉に立ち止まったり、自分の思考プロセスを振り返ったりすることです。


今回もお読みいただきありがとうございました。

次回はいよいよ研究発表会本時についてです。

国語科 溝上 剛道
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