たぬきの糸車 2時間目 ~理由を書くともっと伝わりそう~

公開日: 2025年10月14日火曜日

たぬきの糸車2時間目です。

前時に、たぬきの糸車の素敵なところを実習生への手紙に書いた子どもたち。本時では実習生からの返信が帰ってきます。

 

実習生から実際に帰ってきた手紙がこちらです。



この手紙は、実際に子どもたちが書いた手紙を読んでもらった後に、私の方で「こんな風に手紙を書いてほしい」とお願いをして書いてもらっています。

実習生からの手紙が本単元で身につけてほしい力に立ち止まるきっかけになり、本文の再読へ向かってほしいと思っています。

では、この手紙をきっかけにどのように子どもたちは考えていったのか紹介します。

 

【学習活動① 実習生からの返信を読み、どうすればもっと伝わる手紙になるか考える】

授業の冒頭で「実習生から手紙が帰ってきたよ」と子どもたちに伝えると、子どもたちは大喜びです。自分たちの大好きな実習生が、どんな返信をくれたのかみんなわくわくして待っています。そこで、実際に実習生の手紙を読み聞かせていきました。

T:1年2組のみんなへ お手紙ありがとう。みんなでたぬきの糸車をお勉強しているんだね。みんなが頑張ってお勉強しているのが伝わってきたよ。でも、先生たちはみんながどうして素敵だとおもったのか、まだ分からなかったなあ・・・。

CC:え~・・・

T:どうして今「え~」って思ったの?

りりな:ここが素敵だよって手紙に書いたのに、わかんないのはなんでかなって。

ゆずは:たぶん、理由が書いてなかったんじゃない?

ゆみこ:もっと詳しく書けばよかったのかな。

こうた:みんな書いたはずなのに、どうして分かんないかかが分かんない。

T:確かに、どうしてわかんないんだろうね。

ここみ:あのさ、理由書いてない人が多かったんじゃない

CC:そうだよきっと、理由書いてない人が多かったんだよ。

T:みんなちょっと自分の手紙見てみて。理由書いてる?

CC:書いてなかったかも。僕は書いてるよ。

T:手を上げて教えてね。書いてた人(7人くらい)、書いてない人(20人くらい)、書いてるかどうか分からない人(10人くらい)

子どもたちは、実習生からの手紙を受けて「自分たちが素敵なところの理由を書いていなかったんじゃないか。」ということを考え始めました。この考えには多くの子が納得していて、理由がないと素敵なところが伝わらないという思いが共有されていきました。しかし、この段階では、「理由を書くとはいってもどんな理由を書けばいいの?」と困っている子がほとんどです。そこで、次の実習生の手紙を紹介していきました。

 

T:1年2組さんへ みんなのお手紙読みました。たくさん素敵なところを探していたね。たぬきがぴょんぴょこ踊りながら帰っていくのは先生も素敵だと思ったよ。でも、なんでたぬきは踊りながら帰ったのかな?不思議だね。

CC:あ~、やっぱり。

CC:そこの理由を聞きたいんだ~。

たろう:たぬきが照れてるところの理由を知りたいんじゃない?

ゆりか:それもあるけど、(手紙に)不思議だねって書いてあるから、不思議なことを知りたいんじゃないの?

しんた:糸車が楽しいから、その楽しいなって気持ちを書いたらいいんじゃないの?

T:不思議なところやたぬきの気持ちが知りたいってことなのかな?

実習生からの手紙を読みながら子どもたちとこのようなやりとりを通して、たぬきの糸車の素敵なところがもっと伝わる手紙になるにはどうすればいいかを考えていきました。

 

T:今みんなの手紙ってりりなちゃんが言ってくれたみたいに、まだ実習生に伝わってはいないみたいだよね。

ゆきこ:もう一回、実習生に書いてみたい。

T:ゆきこちゃんがもう一回書きたいって言ってたけど、みんなももう一回書きたい?

CC:うん!

CC:なんかちょっとだけ失敗しちゃった気がする。

CC:だから、今度はちゃんと理由を書く

T:もう次の手紙に何を書けばいいか考えてる人もいるね。チームでどんなことを書けば、もっと伝わる手紙になるか話し合ってみようか。

えいた:理由を書けばいい。

りゅう:ふしぎなところの理由を実習生に分かりやすいように書く。

CC:あ~たしかに。わかりやすいように書く。詳しく書く。

T:今詳しく書くって聞こえてきたけど、詳しく書くってどういうこと?

まゆみ:これは、こうだからこうなりますとかを書けばいい。


ここみ:他にもあるよ。なんでおかみさんはたぬきを逃がしたか。

CC:あ~、そこも書けそうかも。

子どもたちは、実習生の手紙を足場にしながら、「たぬきやおかみさんの行動の理由を書くといいのではないか」「不思議だなと思うところの理由を書くといいのではないか」という見通しをもちました。

 

【学習活動② 不思議なところや理由が書けそうなところを探す】

ある程度子どもたちの中で手紙に何を書けばいいか見通しがもてたタイミングで、本文から「不思議なところ」や「行動の理由がかけそうなところ」を探す活動に移りました。3人グループに拡大本文と付箋を配り、「不思議なところ」にはピンクの付箋、理由が書けそうなところには黄色の付箋を貼っていくようにしました。すると、グループの中では以下のようなやりとりが生まれました。


りんこ:私は、おかみさんがたぬきを逃がしたことが

不思議。やっと捕まえたのに、なんで逃がすのかが不

思議。

なおと:確かに。

りゅう:ぼくわかるよ。おかみさんはたぬきじるが苦

手だったんじゃない?

T:今りゅうくんがいったことどう思った?

りんこ:(くびをかしげる)

T:りんこちゃんは、ん~?って感じなんだね。じゃあ、ここは不思議も貼れるし、りゅうくんは理由を書けそうも貼れるね。

 


このようにグループで不思議なところや理由が書けそうなところを出し合っていきました。どのグループもピンクの付箋が多く付きました。不思議だなあと思うことが多かったようです。中には、「理由を書けるよ」という子もいましたが、叙述を根拠にしながら理由を想像している子は少数でした。

これからの学習の中で、叙述を基に理由を想像していく力も育んでいきたいと思います。

 

【学習活動③ 担任の先生宛に手紙を書く(振り返り)】

前時では実習生に手紙を書きましたが、本時ではまだ何も行動の理由を考えられていないため、実習生に手紙は書けません。そこで、本時は私宛に手紙を書いてもらうことにしました。子どもたちの手紙を紹介します。




見ていただいて分かるように、この手紙はそのまま本時の振り返りになっています。子どもたちは実習生に分かってもらうために頑張るぞという意欲をもっている子が多かったです。

次回は、たぬきの行動の理由を考えるためにホットシーティングの活動に取り組んでいきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。



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