【ごんぎつね④⑤】全体の場で「問いの発展」「考えの更新」をモデリングする

公開日: 2023年10月15日日曜日 「ごんぎつね」(光村図書/東京書籍/教育出版)

第4・5時の目標

第3時に書いた手紙を読み合ったり,話し合ったりする活動を通して,考えを広げたり,問いを発展させたりすることができる。

主な学習活動

① 前時の学習を振り返り,言語活動の選び方や深めるポイントを確かめる。
② 前回書いた手紙を読み合う。
③ ごんがいたずらをした理由について話し合い,問いや考えの広げ方を確かめる。
④ 自分の問いを発展させ,それぞれで活動に取り組む。
⑤ どの手紙にするかを選んで書く。

この日は2時間国語の授業がある日だったので,1時間目に④に少し入るところまで,2時間目は丸々④に取り組み,最後に各自が選んだ手紙を書いて学習を振り返りました。

第4・5時は「問いの発展」や「考えの更新」を全員が経験できるようにしたいと考えました。
そこで,学習活動③では,ある子どもの問いを取り上げ,全体で話し合うことで,「問いの発展」「考えの更新」のモデリングとなるようにしました。

その上で,学習活動④の時間をたっぷりとり,個々の活動状況を見取っていきました。

学びの実際

<学習活動①> 

前時の学習を振り返り「言語活動の選び方」「深めるポイント」を確かめる。


前回の板書をモニターに映しながら,新たに教室掲示に加えた「言語活動の選び方(写真左)」と「深めるポイント(写真右)」を確かめました。
今回の単元では,「ごんへ」「兵十へ」「ごんからの返事」「兵十からの返事」の4つから選んで活動に取り組めるようにしています。
多くの子どもは,「ごんへ」を書いたら「ごんからの返事」を書きたくなります。
ただ,返事を書きたくても,自分が投げかけた問いかけになんと答えたらいいのか,多くの場合はわかりません。
そんな時は,もう一度「ごんへ」を選び,「やっぱりわからないんだ!」と伝えてもいいことを確かめました。

なぜ言語活動を選ばせるのか。
それは,自己の状態をメタ的に捉える手立てになると考えたからです。
中学年という発達段階上,【自己の学習の調整】を意識的に行うことが難しい子どもも少なくありません。
しかし,「どの手紙を書くか」を選ぶ際,そこには自己の学習状況に対する【メタ認知モニタリング】が働くのではないかと考えました。
初めは「これなら書けそう」のように感覚的なものかもしれませんが,「なぜその手紙を選んだのか」を言語化させていくことで,少しずつそのモニタリングを自覚的に行えるようになっていくのではないかと考えています。

「深めるポイント」については,前時でも述べたため,ここでは割愛します。

<学習活動②> 

前回書いた手紙を読み合う。


上述しA,B,Cの中で「A:解決した」が多かったので,手紙を読み合う活動を入れました。

<学習活動③> 

ごんのいたずらの理由について話し合い,問いや考えの広げ方を確かめる。


ここでは,モデルとして「ごんはなぜいたずらをするのか?」という問いを取り上げました。
ゆうとくんはこの問いに対して「ひとりぼっちの小ぎつね」という叙述から「もしかしたらお父さん,お母さんきつねが撃たれて死んで,恨みがあったのかもしれない」という考えをもっていました。
それに対して,かずきくんは「父母が殺されたという根拠はない」と返しました。
ふうまくんは「村人にかまってほしかったんじゃない」と続けます。

さらに「二、三日雨が降り続いたその間…」「ちょいといたずらがしたくなったのです」という叙述に立ち返ったり,第2場面でいたずらを後悔している姿と結び付けたりする発言が続いていきました。

すると,ゆうとくんが「考えが変わった!」とつぶやきました。
そこでその理由を問い返し,ゆうとくんに考えを語らせた上で,対話を通して考えを広げていく姿を価値づけました。



<学習活動④> 

自分の問いを発展させ,それぞれで活動に取り組む。


学習活動③で確かめたことを基に,自分の考えを深めるための問いを立て,それぞれで活動に取り組んでいきました。
下の画像は,それぞれの問いをロイロノートで共有したものです。
ピンクがごん,青が兵十,黄色がどちらでもない問いです。
この問いの一覧も参考にしながら,だれと一緒に活動するのかを考えている子どもも見られました。


<学習活動⑤> 

どの手紙にするかを選んで書く。

最後に,「ごんへ」「兵十へ」「ごんからの返事」「兵十からの返事」の4つから選んで手紙を書きました。


最後までお読みいただき,ありがとうございました。

国語科 溝上 剛道

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