言語活動「3つの『ごんぎつね読書レター』を書く」で、「考えの形成」の力を身に付ける授業⑦(第7時間目)(光村図書4年下「ごんぎつね」)~2通目の読書レターを書く~
公開日: 2021年2月17日水曜日 「ごんぎつね」(光村図書/東京書籍/教育出版)
第7時の目標 「これまでの「わたしの問い」を解決した内容を生かして、2通目の読書レターを書くことができる。」
本時は、これまでの自分が立てた「わたしの問い」を解決してきた内容を生かして、2通目の読書レターを書きあげます。
この時間までに子どもたちが立てた問いの数は、平均7~8個でした。
2通目の読書レターを書く相手は、「クライマックスの場面の前までを読んだ人」です。
これまで子どもたちは読書レターの中に「ごんの行動の理由」「ごんの気持ち」「ごんの気持ちの変化」「ごんの性格」「場面の情景」について書くために、問いを立て解決してきました。
その内容を生かして、「ごんぎつね」という物語を一緒に読み、一緒に楽しむことができる「2通目の読書レター」を書いていきました。
子どもたちが完成させた「2通目の読書レター」とその分析を載せます。
読書レター①…ペアで話し合った通り、ごんの性格から始めており、その中で自分たちが読んだ「1の場面はひとりぼっちでさびしがりやっぽい性格」と書き、その理由も書いている。次にごんの気持ちに移り、ごんの気持ちに対する自分の考えを述べている。2枚目には、情景について読んだ内容が書かれている。全体で話し合った内容を上手に生かして書いている。少し羅列的ではあるので、3通目に改善させたい。
読書レター②の…呼びかけから始めており、ごんの性格について自分たちが立てた問いを解決した内容を、わかりやすく書いている。自分たちの感想や考えを入れている。また、つぐないの変化についての触れられており、最後の「最後がとても楽しみです」が3通目につながる。
読書レター③…読んでいた内容には、とても納得させられる部分があった(ごんは自分のいたずらを最初は大きなものと思っていなかったが、後になってその大事さに気付いたや、ごんはうなぎを横取りしたくて取ったわけではないことや、大きな問いを小さな問いに分けて考えることなど)が、その解決した内容が手紙に生かされていない。あらすじまとめをした感がある。「わたしの問い」を解決する中で持つことができた自分の感想や考えを、3通目では生かして書けるようにする。
読書レター④…表現力が高いペアである。構成や表現力も高い。そのため、読んでいて面白い。ごんの気持ちを後悔、深い反省、つぐない、おわびなど、読んでいて納得させられる。仮の性格と本当の性格というのも、この物語を読みこめているからこそ出てくる表現である。しかし、つぐないを続けるごんは、つぐないが薄れていき、自分のやったことに「恐怖」をいだき、あやまりたいという気持ちがふくれあがったという表現には、飛躍がある。「恐怖」という言葉の選択のミスなのか、関連付けのまずさか、2通目の読書レターからだけでは分析できない。次時の問いの解決の姿を見ながら、働きかけていきたい。
読書レターに書く一語一語にこだわり、類義語辞典を使いながら、この言葉でいいのかということ思考しながら書いていました。
授業者である私自身も45分があっという間に終わってしまい、国語の記録を書く時間が授業終了時刻を超過してしまった程です。
そして、驚くべきは2通目の読書レター完成後の国語の記録に書かれた「クライマックスの場面の問い」でした。
一覧にしたものを見ると、授業者である私自身が驚く程、質の高い問いが立てられていました。
子どもたちが立てた問いがあれば、教師がいなくても授業ができてしてしまうレベルの問いばかりあったのです。
これまで積み重ねてきた問いを立てる指導の、成果の一端を感じました。
さらに、子ども自ら立てた問いの姿に、アクティブラーナーの姿を見た気がしました。
毎時間子どもたちがどんな問いを立て、どんな解決策を使ったのかを克明に記録したものは、研究会当日ダウンロードしていただく資料には載せておりますが、この時間に立てた問いだけ、一覧表にしてブログに載せたいと思います。
字が小さいですが、ご覧いただければ幸いです。
次時には、この子ども自らが立てた問いを解決する学びを行っていきます。
研究発表会まで、残り3日となりました!!
授業動画はご覧いただけましたでしょうか?
子どもたちの学びをリアルに感じていただけるように、動画の作成を行いました。
ぜひとも、研究会当日にご意見いただければ幸いです。
研発当日、中学年国語分科会でお会いできることを楽しみにしております!!
熊本大学教育学部附属小学校 研究主任 国語科 中尾聡志
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